看護と介護

現役看護師が伝える認知症の人との接し方                     

「認知症の人との接し方がわからない…」というお悩みを抱えていませんか?そんな方々のために、現役の看護師がお伝えする"認知症の人との接し方完全ガイド"を作成しました。

本記事は、以下のような方々にぴったりです:

  • 認知症とは何か知りたい方
  • 認知症の人とのコミュニケーションに困っている方
  • 認知症の人との接し方や言葉遣いについて教えてほしい方
  • スタートする前に知っておきたい、認知症の人との接し方に関する情報を求めている方

それでは、認知症の人との接し方について、現役の看護師がお伝えするポイントをご紹介していきます。どうぞお楽しみに。

1. 認知症の方との接し方のポイントは?よくあるシーン別に解説

1-1. 認知症の方とのコミュニケーション方法

認知症は、脳の機能が低下し、記憶や思考力が影響を受ける病気です。そのため、普段の会話やコミュニケーションが難しくなることがあります。

認知症の方と接する際には、言葉遣いや態度に気をつけることが重要です。まず、優しく丁寧な言葉遣いで話すことが大切です。認知症の方は、細かいことを覚えにくい場合がありますので、簡潔でわかりやすい言葉を使うようにしましょう。

また、相手の話に対して理解を示すことも大切です。認知症の方が話している内容に対して、否定せず共感や理解を示すことで、コミュニケーションがスムーズになります。例えば、「そうですね」と相槌を打ったり、相手の話を聞いている様子を表す表情や仕草を見せることが大切です。

さらに、具体的な例を挙げて説明することも有効です。認知症の方は、抽象的な話よりも具体的な話に興味を持ちやすい傾向があります。例えば、季節の話や身近な出来事について話すことで、相手との共通の話題を見つけることができます。

認知症の方とのコミュニケーションは、簡単な言葉遣い、理解を示す態度、具体的な例を挙げることがポイントです。相手の気持ちや状況に配慮しながら、思いやりのあるコミュニケーションを心がけましょう。

コミュニケーションを円滑にするために、身振りや表情、タッチなどの非言語コミュニケーションも活用しましょう。相手の気持ちを察することや、笑顔で接することで、安心感を与えることができます。後ろから話しかけず、必ず視界に入って話しかけてください

魔法の言葉で「~してくれてありがとう」と感謝を伝えてみてください。認知症の方の行動が変わることがありますよ。

1-2. 認知症の方との食事の時間

認知症の方との食事の時間は、特別な配慮が必要です。認知症は、記憶力や認識力が低下する病気であり、食事の時間も忘れたり混乱したりすることがあります。そのため、食事の時間を安心して過ごせるようにするために、以下のポイントに気をつけましょう。

まずは、ゆっくり食事に集中できる環境にしましょう。認知症の方は食事が認識できなかったり、注意散漫になり、食べるということに意識が向かないことがあります。ご本人の性格や、症状などから席の配置や、介助方法などを配慮することが大切です。

食事を手で食べてしまったり、口から出す、水をひっくり返すなどマナー違反と思える行動をとることもあります。決して声を荒げてはいけません優しく話しかけ、なぜご本人がその行動をするのかを理解し、優しく提案するなど接してみてください。声を荒げてしまうとご本人も興奮してしまうので逆効果です。

次に、コミュニケーションのポイントです。食事の前や後に、笑顔や優しい言葉で声をかけることで、安心感を与えることができます。また、食事中には、認知症の方のペースに合わせてゆっくりと進めることが大切です。急かすことなく、のんびりと食事を楽しむ時間を提供しましょう。

1-3. 認知症の方との入浴の際の注意点

認知症の方との入浴の際には、いくつかの注意点があります。

まず第一に、認知症の方は時間の感覚が曖昧になることがありますので、入浴の時間を決めておくことが大切です。具体的な時間を伝えることで、認知症の方も安心して入浴することができます。

また、入浴の前にはしっかりと準備をすることも重要です。バスルームの温度や湯量、滑りにくい床など、安全面を考慮しておくことが必要です。さらに、入浴道具やタオルなども事前に用意しておくとスムーズに入浴することができます。

入浴中には、認知症の方が不安や恐怖を感じることもあります。そのため、声をかけたり、手を握ったりして安心感を与えることが大切です。また、認知症の方の体調や表情を見ながら、適切なサポートを行うことも必要です。

入浴後にはゆっくりと身体を拭いてあげることも大切です。認知症の方は自分で身の回りのことができないことがあるため、優しくサポートしてあげることが必要です。

認知症の方との入浴は、コミュニケーションと思いやりが重要です。十分な準備と配慮を行いながら、安心して入浴できる環境を整えましょう。

2. 認知症の人との接し方。「言ってはいけない言葉」とは?

認知症の人との接し方について、言葉遣いやコミュニケーションのポイントをご紹介します。

認知症の人と接する際には、相手の状況を理解し、配慮することが大切です。

言葉遣いについては、シンプルで分かりやすい表現を使うことがポイントです。長い文章や難しい言葉を使うと、認知症の人が理解するのが難しくなります。また、急かしたり、否定的な言葉を使ったりしないように心掛けましょう。

コミュニケーションにおいては、ゆっくりと話すことが大切です。認知症の人は情報を処理するスピードが遅くなっているため、急いで話すと理解できないことがあります。また、相手の話に耳を傾け、興味を持って対話することも大切です。

具体的な例としては、認知症の人が「家族が来る」と言っている場合、その人の家族が亡くなっている場合もあります。このような場合には、否定せずに「家族が来るんですね。楽しみですね」と共感の言葉をかけることが大切です。

食事を「ごはんを食べてない」といわれる場合、「何言ってるの、食べたでしょ。」などと強めの言葉はかけてはいけません。「おなかがすいたんですか?次のご飯は〇時です。食事の時間までお茶を飲みませんか?」など優しく声をかけてください。

当然ですが「さっき言ったでしょ」「早くやって」「もっと頑張って」「どうせわかんないんだから」など相手を責めたり、否定したりする言葉は言ってはいけません。認知症の方は言葉に敏感です。

認知症の人との接し方は、一人ひとりの状況に合わせて変える必要があります。相手の気持ちや状況を尊重し、思いやりのあるコミュニケーションを心掛けましょう。

3. 【これから介護を始める方】家族が認知症になってしまった際の対応

もし家族が認知症になってしまった場合、どのように対応すればいいのでしょうか。

家族の方が認知症になると何度も同じことを言ったり、辛い言葉を言われたり、目が離せなかったりするなど、ご家族の方も大変苦労されるかもしれません。

まず大切なのは、認知症になった方ご本人を理解し、尊重することです。認知症になる前、あなたと過ごしたかけがえのないお父様、お母さまだったと思います。人が変わったように思うかもしれませんが、間違いなく大切な方ご本人です。

ゆっくり優しく話し、対応するようにしてください。認知症の方があなたのイライラや怒り、焦りを感じとってしまい症状を悪化させている可能性があります。

簡単な言葉やわかりやすい表現で、相手のペースに合わせることも大切です。

さらに、具体的な例を挙げると、認知症の人とのコミュニケーションでは、目の前の状況や感情に寄り添うことが大切です。例えば、相手が困っている様子を見かけたら、「どうしましたか、お困りですか?」と声をかけ助けを申し出たり、共感の言葉をかけたりすることが良いでしょう。

認知症の人と接する際には、ストレスを与えないように心がけましょう。相手のペースに合わせて行動したり、リラックスした雰囲気を作ったりすることが大切です。行動を制御するような言動はしないようにしてください。」

認知症の人との接し方は、簡単な言葉遣いやコミュニケーションのポイントを理解し、相手の感情や状況に寄り添うことが重要です。家族が認知症になった場合、これらのポイントを意識しながら接してみてください。

まとめ

「認知症の人との接し方」について、現役看護師が伝えるポイントは以下の通りです:1)言葉遣いはシンプルで明確に。2)ゆっくりと話し、一つのことに集中する。3)穏やかな表情と声で接する。4)相手の感情に寄り添い、共感する。5)繰り返しや図示を用いて説明する。6)安心感を与える環境を整える。7)コミュニケーションを重視し、笑顔や触れ合いを通じて絆を築く。

認知症の対応は看護師も難しいものです。大切なのはご本人を尊重することです。対応で困ったことがありましたら、教えてください。

私でも何か助けになることがあるかもしれません。

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